損害賠償請求事件 平成18年12月1日
平成15(行ヒ)74
損害賠償請求事件
平成18年12月1日
最高裁判所第二小法廷
判決
棄却
民集 第60巻10号3847頁
東京高等裁判所
平成14(行コ)185
平成14年12月24日
1 資金前渡を受けた職員のする普通地方公共団体に債務を負担させる行為及び債権者に対する支払と住民訴訟の対象となる「公金の支出」 2 資金前渡を受けた職員と地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号にいう「当該職員」 3 資金前渡を受けた職員が普通地方公共団体に債務を負担させる行為をした場合における当該普通地方公共団体の長と地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号にいう「当該職員」 4 資金前渡を受けた職員が普通地方公共団体に債務を負担させる行為をした場合における当該普通地方公共団体の長の損害賠償責任 5 普通地方公共団体の長その他の執行機関が一般的な友好,信頼関係の維持増進自体を目的として各種団体等の主催する会合に列席し祝金を交付するなどの交際をすることの適否
1 資金前渡を受けた職員のする普通地方公共団体に債務を負担させる行為及び債権者に対する支払は,住民訴訟の対象となる「公金の支出」に当たる。 2 資金前渡を受けた職員は,その権限に基づいてした普通地方公共団体に債務を負担させる行為及び債権者に対する支払の適否が問題とされている住民訴訟において,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号にいう「当該職員」に該当する。 3 普通地方公共団体の長は,資金前渡をした場合であっても,資金前渡を受けた職員のした当該普通地方公共団体に債務を負担させる行為の適否が問題とされている住民訴訟において,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号にいう「当該職員」に該当する。 4 資金前渡を受けた職員が普通地方公共団体に債務を負担させる行為をした場合においては,当該普通地方公共団体の長は,同職員が財務会計上の違法行為をすることを阻止すべき指揮監督上の義務に違反し,故意又は過失により同職員が上記違法行為をすることを阻止しなかったときに限り,当該普通地方公共団体が被った損害につき賠償責任を負う。 5 普通地方公共団体の長又はその他の執行機関が,各種団体等の主催する会合に列席するとともにその際に祝金を主催者に交付するなどの交際をすることは,その交際が一般的な友好,信頼関係の維持増進自体を目的としてされるものであったとしても,住民の福祉の増進を図ることを基本として地域における行政を自主的かつ総合的に実施するという普通地方公共団体の役割を果たすため相手方との友好,信頼関係の維持増進を図ることを目的とすると客観的にみることができ,かつ,社会通念上儀礼の範囲にとどまる限り,当該普通地方公共団体の事務に含まれるものとして許容されるが,上記のことを目的とすると客観的にみることができず,又は社会通念上儀礼の範囲を逸脱したものである場合には,当該普通地方公共団体の事務に含まれるとはいえず,その費用を支出することは許されない。
(1〜4につき)地方自治法153条1項,地方自治法232条の3,地方自治法232条の5第2項,地方自治法施行令161条1項,(1,2につき)地方自治法243条の2,(1につき)地方自治法242条1項,地方自治法242条の2第1項,(2〜4につき)地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号,(5につき)地方自治法1条の2第1項,地方自治法2条2項,地方自治法232条1項